2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧
2014年4月30日(水)遠くの世界と近くの世界● 00特養ホームに義母を訪ねるときは首にカメラをぶら下げている。限られた世界の中で何か目新しいものを探すのは、写真という趣味の最小の楽しみ方の一つでもある。それでも写すものが見つからない季節もあるので、…
2014年4月30日(水)二冊の本● 00読書していると、難しくて面白くて、難しくて面白くてという、呻吟と理解が交互にやってくるように感じられる本があり、そういう本に出会うと、自分の人生にとって本はこの一冊があれば事足りるのではないかと思うことがある。…
2014年4月29日(火)靴が鳴る● 00東京の小学校に入学して最初の遠足は荒川区の荒川遊園地で、歩いて行ける距離だったがバスで行った。東京で遠足といえばバス旅行のことだった。 01清水の中学校に入学して最初の遠足は迎山町の忠霊塔で、歩いて行ける距離なの…
2014年4月28日(月)4月26日、清水日帰り帰省のまとめ● 00年明けから静岡の図書館まで日帰り帰省で調べものに通っている。もっと違う方法をアドバイスしてくださる方もあるけれど、マイクロフィルム化されたデータを開架式の棚から自由に取り出して閲覧でき…
2014年4月25日(金)森を歩こうA Walk in the Black Forest● 00iPhone で「ぶりょうをかこつ」と打ってみたら、ちゃんと無聊を託つと変換できてえらい! 小さなスマホの変換辞書にも無聊は登録されている。 01無聊を託つとはわだかまりがあってこころが晴れな…
2014年4月24日(木)豆の味● 00子どもの頃、豆を一緒に炊き込んだご飯が嫌いだった。母親は逆にそういうご飯が大好きな人で、息子への嫌がらせのようによく炊いたり蒸したりした。外食のときは豆だけよけて食べたが、家では残すと叱られるので豆だけ先に拾って…
2014年4月23日(水)昨日の春散歩● 00雨が上がって乾き始めた歩道を歩くと、なぜか落ち葉の周りだけが濡れている。たいていそうなっているのが面白くてよく写真に撮る。濡れそぼった落ち葉と地面の間に毛細管現象で水が入り、雨が上がって地面が乾き、落ち葉…
2014年4月22日(火)畷(なわて)と縄手● 00夏目漱石『こころ』冒頭ちかくに畷(なわて)という言葉が出てくる。書生である主人公は暑中休暇中の友人に誘われて海辺の町に宿を取る。湘南の賑やかな別荘地ではあっても繁華街からちょっと外れており、 宿は鎌…
2014年4月21日(月)ラジオは友だち● 00診療所待合室で長時間待たされたり、タクシーという密室で運転手と二人だけの沈黙が気まずかったりすると「ああ、こんなときラジオがあって良かった、ラジオっていいものだな」と思う。けれど、電話がかかってきたり、…
2014年4月20日(日)庭の春と太田道灌● 00義母が暮らす老人ホームの居室は南に向いて全面ガラスで開閉する窓がある。晴れた日には布団が干されるベランダに出て庭を覗くと、建物に沿って木々が植えられている。 01左端にはブドウ棚があり、その隣にはカリン…
2014年4月19日(土)海鞘の味● 00海鞘と書いてホヤと読むほやが好きだ。結婚して仙台に籍を置いたことがある母親も大のほや好きだった。 01大学を卒業したばかりのころ、かつて中央線沿線にあった著名居酒屋で、ホヤの塩辛を食べたのが初めての出会いだが、…
今週の散歩道まとめ ● 00仕事帰りにいつもと違う路地を折れたら木香薔薇(モッコウバラ)が咲いていた。「ああそんな季節になったのか」と驚くようなカードが切られて次々に目の前で開かれるたびに、巡る季節というのは永遠の連用日記のようなものだなと思う…
2014年4月18日(金)魚紋(もじり)● 00開高健に出てくる「魚紋」という二文字だけを検索窓に入力してやると、飲食店情報と、手相見のサイトと、壷屋焼の金城次郎さんがヒットするが、それらの読みはみな「ぎょもん」である。「魚紋+もじり」と入力してやる…
2014年4月17日(木)自意識の耐えられない過剰● 00「あの人は私のことをどう思っているのだろうか」などと想像して考えてばかりいるのは、あの人の気持ちを考えているつもりで自分のことばかり考えているにすぎない。そうやって自意識がはちきれんばかりの過…
木を食った話2014年4月17日(木)● 00昭和三十年代の東京下町、場末で食べる中華そばに入っているシナチク(支那竹)は妙に硬くて、誰いうともなく「あれは客が使った割り箸を煮て味付けしたものだ」などという噂があり、冗談だと知りつつ妙な現実味があって…
2014年4月16日(水)遭難● 00午前二時過ぎに目が覚めたら社会派日本映画もどきの夢を見ており、それはなんとコントラストの強いモノクロ映像だった。自分がこんな格調高い夢も見るのかと目が覚めた瞬間に驚いた。 01夢の中ではまだ学生をしていて山岳部員と…
2014年4月15日(火)車輪の発明● 00教育学部出身者には「車輪を再発明する(reinventing the wheel = 既にある物をいちから作ろうとする者をからかって言う喩え)」ことが好きな者が多く、まわりの人からはくどい、しつこい、いじわる、同じことばかり言っ…
2014年4月14日(月)ラジオと手仕事● 00いつもお世話になっている近所の診療所は、待合室の天井スピーカーから BGM に AM ラジオ放送が流されており、たいがい平日の午前中に行くので TBS ラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」を聴くことになる。 01小さな診…
2014年4月14日(月)ロボット● 00電車に乗って買い物に出たら、目当ての店が閉まっていたので、駅の反対側に行き、数十メートルの距離に隣接して営業する二つの大型スーパーに行ってみた。 01どちらもコンビニチェーンを展開する大企業なので、コンビニをそ…
2014年4月12日(土)カレー南蛮百連発:043 北区西ヶ原の栄亀庵● 00東京都北区西ケ原4丁目にある栄亀庵(えいきあん)に、いちど入ってみたいと思っていた。小学生時代に何度か前を通ったことがあり、中華料理の喜楽の方は母親に連れられて入ったことがある…
2014年4月12日(土)迎え酒と迎え塩● 00いやなことを忘れる一番の方法は忙しくして自分を忙殺することである。忙しくしているといやなことを思いだすいとまがないので、反復による記憶定着がおこりにくい。忙しくすることで忘れ上手になるわけだ。 01 心の忙…
2014年4月11日(金)「ジャムパンの男」実践編● 00ここ数日暴飲暴食が続いたせいか昼食時になっても食欲がない。近所のコンビニへ買い物に出たら、パン棚に昔ながらのジャムパンがあるのを見つけたので買ってきた。 01「ジャムパンの男」と題して司馬遼太郎…
2014年4月8日(火)手帳とワカメ● 00新宿しょんべん横丁にある鰻の寝床のようなめし屋はご飯がおいしい。炊きあがったご飯をちゃんと木のお櫃に移してから、ふんわりどんぶりに盛って客に振る舞っているからで、これはおいしいわけだと眺めていたら、お櫃の…
2014年4月7日(月)方向の誤り方● 00 方向を定めるときにまず基準となる自分の位置は主観によって見当をつけることが多いので、ランドマークなど客観的な情報を集めて迅速に修正しないと、ずっと方角を誤ったままになってしまう。そして誤ったまま主観に拘泥…
2014年4月6日(日)西郷と月照と月性● 00未明に目が覚めたので青空文庫で服部之総(しそう)「志士と経済」を読み、梅田雲浜(うんぴん)のことなどを調べるうちに、京都成就院の僧月照を抱いて錦江湾に入水した西郷隆盛の話を読んだ。月照は死んで西郷は生き…
2014年4月5日(土)世話の焼ける客● 00最寄り駅ひとつとなりの駅前に、以前から気になっている大衆食堂があり、昼時に通りかかったので暖簾をくぐってみたら、七十近い男性と女性ふたりの三人がカウンターの中で料理を作ったり客の相手をしたりしていた。昼の…
2014年4月4日(金)ジャムパンの男● 00 山手線内回りに乗っていたら年齢七十代前半くらいの男性が乗ってきた。顔が七十代なのに全身が妙に若々しく、どうしてだろうと見ていたら服装や仕草が若々しいのだ。 01 だぶっとしたブルゾンを羽織ってカーゴパンツを…
2014年4月3日(木)空瓶● 002014年4月3日未明、津波警報発令と防災アプリから通知があったが、NHK や気象庁などはアクセス集中で負荷が高いのか読み込みにくく、Twitter のキーワード検索が一番頼りになる。雑な情報こそが、首が絞まった瓶の口をもすり抜けて…
2014年4月2日(水)梶井基次郎の交尾● 00開高健が書いたものはたいがい贔屓してしまうけれど、ひとつ思いつくまま短いのを挙げれば『ずばり東京』所収「これが深夜喫茶だ」が身を焦がすように好きだ。 01その開高健が敬愛した作家が梶井基次郎だと聞いて身を焦…