den6blog’s diary

僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【ぼくのおじさん】

【ぼくのおじさん】 近所の図書館に行ったら『ぼくのおじさん』という題名の日本映画が DVD になって開架式書架にあったので借りてきた。 2016 年 11 月公開の東映映画で、主演の松田龍平とじょうずな子役がいい味を出していた。テーマ音楽「おじさんサンデ…

【教えられたり教えたり】

【教えられたり教えたり】 場所と意味がいつも結びついたまま不変のボタンとしてそこにあると、意味はわからなくてもスマホの操作は覚えやすい。ことばの理屈ではなく、からだの動きのほうが記憶しやすいからで、だから理屈じゃなく身体で覚えろなどと昔の人…

【もつ煮】

【もつ煮】 NHK の東京ローカルニュースで下町のおでん屋が映り、嬉しそうに袋に入れてもらったもつ煮込みを持ち帰る客がいて羨ましい。ニュース映像から拾った区名とおでんともつ煮で検索したら、荒川区のジョイフル三ノ輪近くにある田川商店らしい。おでん…

【女の結論】

【女の結論】 愚痴を息子に言うと、だんだんつまらなさそうな顔をし、「結局、何が言いたいんだ」と話の途中で言い出す。だけど女の愚痴は結論だけなら何もない。言いたいのは話の初めから終わりまで全部、つまり小説なんです。(鶴見俊輔『読んだ本はどこへ…

【覚えた名前はどこへいったか】

【覚えた名前はどこへいったか】 草花の名前は覚えにくい。調べたり教えてもらったりして、忘れずに覚えておこうと思っても、いつの間にか記憶から消えている。鶴見俊輔『読んだ本はどこへいったか』風に、「覚えた名前はどこへいったか」と思う。 草花の名…

【見てなくても見える】

【見てなくても見える】 図書館から借り出した DVD ビデオを返却しに行ったら、返却カウンターでケースを開けた若い女性館員が…… 2023/09/21 図書館前の花壇にて 「あ〜……観終わったディスクはデッキの中に入ったままですね」と言うので笑った。「当たり」。…

【余分な自分】

【余分な自分】 consciousness(意識) とは「自分への気づき」のことで、自分への気づきを合わせ鏡の中に虚像として見てしまうことを self-consciousness という。self-consciousness とは自意識であり、自意識は自分に付きまとう亡霊のようなものであって…

【脳の快感】

【脳の快感】 名前のど忘れという現象はおもしろい。「ほらむかし NHK の朝ドラに出てて、〇〇のコマーシャルに出たりして、奥さんが女優の〇〇で、ほらほら、あの人なんて言ったっけ……」と顔も経歴も覚えていてスラスラ言えるのに名前だけ出てこなくてしば…

【妻をチンする】

【妻をチンする】 「記憶は人間にとってなんのためにあるのでしょうか」という問いはおもしろい。 あえて三つあげれば、今日の自分が昨日の自分のつづきであることを確認するため、自分の家族を見失わないため、自分の居られる場所を忘れないため、それらを…

【我は意味の子】

【我は意味の子】 長田弘は「我思わぬところに我あり」と書いているらしい。鶴見俊輔がそう言っていたけれど出典は知らない。 思わぬところに我があるというのはいかにも詩人らしい言葉の飛び道具的使用法と感じるけれど、「我思わぬところに我はあった」と…

【夏の純粋経験】

【夏の純粋経験】 アロハシャツについて頭で考え、マニアックな蘊蓄(うんちく)をかたむけ、理屈をこねているときのアロハは「アロハシャツという意識」であり、グダグダ言わずサラリと身に着け颯爽(さっそう)と街に繰り出すときは「アロハシャツというも…

【シャルウイダンス】

【シャルウイダンス】 高校柔道の授業で体格の似た級友と組み、「上手く投げる・上手く投げられる」という練習をして実技試験に臨んだら、「バカヤロー、俺はお前らのダンスが見たいんじゃない」と怖い柔道教師に笑われた。 なにか深い教訓を得たような気が…

【カプセルのなかのわたし】

【カプセルのなかのわたし】 小学校に上がったばかりの頃、夜ひとり布団にもぐって目を閉じ考え事をしていると、想像しただけで身をよじるくらいに恐ろしい想像があった。それは「もしかすると自分はここ以外に生まれついた可能性もあった」「日本じゃない外…

【質問と答え】

【質問と答え】 「私って何」と聞かれたら「私とは言葉であり、いまこの言葉を発しているこの身体です」と答えるだろう。 犬に「私って何」と聞いたら、きっと目を見つめて「ワン」と言うので、「そうだよ、おまえはワンワンだよ」と言いながら両手で耳のう…

【自動検閲】

【自動検閲】 届いたメールで初めてクラファンという言葉を見た。「クラシック音楽ファンのことかな」と一瞬思い「ああそうか、クラウドファンディングか」と一拍間(ま)をおいて思う。 昼のニュースで、金正恩(きむじょんうん)がロシアの扇風機工場を見…

【ことばの中の米粒さがし】

【ことばの中の米粒さがし】 子どものころ、親にだったか祖父母にだったか忘れたけれど、「ごちそうさまでした」を言って卓上に置いたごはん茶碗に、ひと粒でもごはんが残っているとひどく叱られた。「お百姓さんはそのひと粒をつくるのに一年かかるんだぞ」…

【都の城北】

【都の城北】 小学生時代を過ごした東京都北区王子では町会事務所二階にあった珠算塾に通っていて、所属は城北珠算連盟だった。東京 23 区のうち北区が城北地区に属していたからだ。 「北区が城北ということは、いま住んでるこの文京区も城北なの?」と妻が…

【小便小僧の時代】

【小便小僧の時代】 オリジナルと言われるブリュッセルの小便小僧像のそばには、しゃがんで用を足す小便少女や、片足を上げた小便イヌの像もあるらしい。 子どもだった昭和の時代、町で立ち小便する小便オトナをよく見かけた。着物姿であることが多かった高…

【私はなぜこの映画館にいるのか】

【私はなぜこの映画館にいるのか】 「内面のこころ」と呼ばれるものをもつ「自分」とは映画館のようなものだ。 五感をつかさどる感覚器で受け取った情報を脳という器官が解釈して【自分】という【意識】の内面であるスクリーンに映画として投影し、それを自…

【仮想】

【仮想】 自分のことを自分で客観的に考えるときに、自分のことを考える【自分】って不思議なものだなと幼いころ気になってしまった。自分のことを考えられる【自分】は自分とともにいつかなくなってしまう。気になって泣いて、気になって寝ぼけぐせがついた…

【酔う(2)】

【酔う(2)】 自分がなぜ学校に行くのが苦痛だったかの理由がわかった。集まった子どもたちがみんな酔っているように見えるのに、自分だけが素面(しらふ)で、さめているように感じられたからだ。 こう書いた昨日の日記の続き。 この「自分だけが素面(し…

【酔う】

【酔う】 自分がなぜ学校に行くのが苦痛だったかの理由がわかった。集まった子どもたちがみんな酔っているように見えるのに、自分だけが素面(しらふ)で、さめているように感じられたからだ。 保育園に連れて行かれて、他の園児たちが輪になってくるくるま…

【エリス】

【エリス】 夕食の支度をしながら NHK で安全地帯のライブを見ていた妻が「エリスって誰?」と言う。『碧い瞳のエリス』という曲の「エリス」は鷗外の「舞姫」に出てくる女性の名からとられたらしい。あらためて「舞姫」を読む。 読みはじめてすぐに脱線して…

【スマホの中】

【スマホの中】 ときおり混雑した電車に乗ると、背が高いこともあってスマホを手にした女性たちが何を眺めているかが見えてしまう。 SNSであったり、ネットニュースであったり、動画配信だったり、ときどきゲームだったりもするし、男が見てはいけない女性ら…

【口角の秘密】

【口角の秘密】 くちびるの両脇部分を口角(こうかく)と呼ぶ。口角泡を飛ばして議論する、などと用いるけれど、最近は女性の美容法で「口角を上げて若々しく」などという。 鏡に映る自分と目が合うとひどく間抜けた顔をしている。歳をとったのは仕方ないと…

【 Pomera 再起動】

【 Pomera 再起動】 ネットの向こうを気にせず、文字打ちに集中したくて古い pomera DM30 を引っ張り出した。いわばただのワープロであり、英語圏の人々はこういうのをコンピュータと区別して Digital Typewriter と呼ぶらしい。 pomera で書いた文章を連結 …

【nifty ID】

【nifty ID】 インターネットが普及する以前、ピ〜ゴロゴロゴロのネゴシエーション音を聴きながらモデムでパソコン通信をしていた時代に、NIFTY-Serve 利用者は英 3 文字+数字 5 桁の nifty ID を持っていた。記憶に刻まれたその符号を大切に思い、いまでも…

【本を読む人たち】

【本を読む人たち】 コロナ禍がひどくなって抜けてしまった友人たちの読書会が、パンデミックの盛り場会議室を渡り歩きながら、3年かかって1冊の永井均を精読し終え、今月からはニーチェを読むという。 永井均の『ルサンチマンの哲学 (シリーズ 道徳の系…

【おはようとおやすみ】

【おはようとおやすみ】 そして、たとえいかなる感覚もないとしても、その状態がまるで眠り――人が眠っていて夢ひとつ見ない場合の眠り――のようなものであるならば、死というものはたいへんな儲け物ということになるでしょう。(プラトン『ソクラテスの弁明』…

【朴念仁と唐変木】

【朴念仁と唐変木】 吉田健一(1912 - 1977 )が書いた本を読んでいたら久しぶりに朴念仁(ぼくねんじん)ということばにであった。唐変木(とうへんぼく)と似た成り立ちをもつ和製漢語だろう。 朴念仁も唐変木も、朴訥(ぼくとつ)で頑(かたく)なで話が…