2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
【誰かが座った】 文京区の白山神社境内に四角く切り出された石があり、あれは確か魯迅が腰掛けたという曰く付きの石ではなかったか……と、ぼんやり思う。不意に気になりはじめたので確かめに行ったら、石に座ったのは魯迅ではなく孫文だった。 明治四十三年…
【他人のベランダに咲く赤い花】 窓際に置いた読書机に向かいながらふと目を上げると、他所のマンションにある他人のベランダに、今年もまた鮮やかな赤い花が咲いている。 赤い花の存在に気づいたのは去年の夏なのだけれど、緑の葉を茂らせるでもなく、枯れ…
【旅する日本語文法】 電子書籍で買った言語学の本を紙書籍版で読み返したくなったので講談社メチエの古書を見繕って買った。何度も読み返したくなる本は紙のほうがいい。 ポストに届いていたので持ち帰って開封し、ページをパラパラめくったら、今回の購入…
【頭の中の広さと高さ】 歳をとったら忘れっぽくなって、去るものは日々に疎く、頭の中が綺麗さっぱり白紙のようであり、頭の中を無常の風が吹き渡り、頭の中になんの拘(こだわ)りも蟠(わだかま)りももたない……というのが「頭の中」の理想である。 生ま…
【友と歩けば】 友人宅に隔月で集まり BS4K のバカでかいテレビで大相撲中継の細部を話題にしながら、互いの息災を確かめ合う飲み会をしている。 14 日目の取り組みが終わり、打ち出しの太鼓を聞いたところで片付けをし、グループホームに戻る奥さんの車椅…
カレー南蛮百連発059:川崎市高津区溝口・おそば巴屋のカレー南蛮 ● 友人宅で大相撲開催に合わせてひらいている三家族六人の飲み会。横綱・大関初日全滅という波乱の幕開けから始まって、混沌とした優勝争いの千秋楽が近い。 13時半の待ち合わせ時刻より早め…
【有度そぞろある記】 有渡郡の語源について『ふるさと有度』にはこう書かれている。 まず、有渡郡に関して平安時代以来の書がどのような記述をしてきたか列挙しておこう。「延喜式」に「烏渡郡云々」とある。 「和名抄」に「有度郡」 とみえる。「拾芥抄」…
【宗丹池】 静岡鉄道狐ヶ崎駅に隣接するイオン清水店の場所はかつて遊園地だった。 能島の巴川べりで瓦を焼いていた祖父の家では、ときどき孫たちに「こんだのやすみにゆうえんちへとつれてくか」という嬉しい話があり、お弁当を作り、能島、堀込、吉川と草…
【一里山から上原あたり】 草薙にうまい豆腐屋があるという話は以前から聞いていた。草薙のどこにあるんだろうと南幹線や旧東海道を友人の車に乗せられて通りかかるたびにキョロキョロしていたけれど見つけられない。「草薙にうまい豆腐屋があるんだって?」…
【清水の備前堀をさがして】 備前堀(びぜんぼり)といえば、茨城県水戸市を流れる桜川と涸沼川を結ぶ用水路、別名伊奈堀が名高い。清水区七ツ新屋と上原の境界に備前堀跡が残っていると郷土資料にある。 七ツ新屋と上原の境界に堀割の跡が残っている。この…
【娵ヶ池(しゅうがいけ)と血流川】 有度第二小学校の南側に日本武尊東征神話にまつわる首塚稲荷神社(清水区草薙 1124 )があり、そのあたりから水を集めて北へ流れ下った細流を血流川と言った。 静岡鉄道御門台駅の西に血流川と四方沢川の合流点があり、…
【暗記と桁数と美術館通り】 旧清水市の市外局番がまだ 0543 でハイフン区切りが 4-2-4 形式だった頃に中高生だった。その後、電話の契約数が増えていつの間にか 3−3-4 の区切られ方になった。郷里を離れた今も清水に電話するときは 0543 と四桁区切りで思い…
【七ツ新屋の堂免橋】 清水区七ツ新屋。四方沢川に沿って歩いていたら第一堂免橋という小さな橋があり、1989(平成 1 )年に完成している。その小さなコンクリート橋の北西側たもとが七ツ新屋と長崎と長崎新田の町境になっている。 2024年5月15日 堂免橋上か…
【七ツ新屋を歩く】 清水区七ツ新屋を歩く。緩斜面に沿ってひらけた町並みにいく筋もの路地があり、湧水・降水・排水を集めた流路があったのが、今は地中に隠されて旧清水市の下水道マンホールが点々と並んでいる。 この土地は古い沼沢地で、巴川・長尾川の…
【軽便鉄道沿線】 手軽で便利なことを軽便といい、緩い法規制によって迅速に普及させた鉄道を軽便鉄道という。最近はライトレールなどと呼ぶけれど、ナローゲージすなわち狭軌のことであって、新幹線以外ほとんどの在来線は狭軌による軽便な乗り物である。 …
カレー南蛮百連発058:静岡市清水区・きのえねのカレー南蛮 ● 静岡県静岡市清水区七ツ新屋で雑誌『季刊清水』の編集会議があったので早めに出かけ、七ツ新屋の町域をぐるぐる歩いてみた。 国道1号線からちょっと脇に曲がった場所に手打ちそば『きのえね』と…
【ことばと矢印】 ごろんと横になって本を読み、眠くなったらうとうとし、目が覚めた自分がまだ続きを読む気分でいるなら、また中断した箇所から先を読み始める。 うとうとして目が覚めると「覚えていないことすら覚えていない」というこざっぱりした状態に…
【土曜日の水上音楽堂】 5 月 12 日日曜日、図書館から借り出した DVD で黒澤明『素晴らしき日曜日』を観た。ラストあたりに出てくる野外音楽堂は、昨夜散歩した上野公園水上音楽堂ではないかと思ったのだけれど、同施設のオープンが 1953 年で映画の公開は1…
【ジムとジウム】 NHK のウェブサイトを見ていたら 2024 年 5 月 10 日の Web 特集で『”世界最強” ネオジム磁石 知られざる”縁の下の力持ち”』としてネオジムマグネットの話があって良い記事だった。 感心しながら読んで「だけど、なぜネオジウムでなくネオ…
【どうなんでしょう,ファインマンさん】 最近の輪ゴムは少し時間が経つとボツボツ切れやすくなったと不思議に思っていた。昔の輪ゴムはもっと根性があった。懐かしい名著を読み返していたらこんなことが書かれていた。 また輪ゴム(僕の育ったところでは、…
【寺子屋の電子書見台】 ゴロゴロしながら小さなスマートフォンで電子書籍を読むのが好きだ。 けれど、大きなパソコンモニタの前に座り、ピンと背筋を伸ばして、大きな横長画面で読むのも好きだ。寺子屋で学ぶ少年になって「しのたまわくまなびてときにこれ…
【勉強させていただきます】 映画を見ていたら「勉強させていただきます」というセリフが出てきて妻と笑った。「勉強させていただきます」はわが家において、ひどくくすぐったい言葉づかいの範疇に入っているらしい。 ネット検索してみるとビジネス用語とし…
【絵文字入りチャットを読む】 人間の話す言葉がたくさんの言語に分かれて互いに意思の疎通が困難になった理由は、旧約聖書創世記に書かれたバベルの塔、その根本に埋まっている。天に達するほどの高塔を立てようとした人間に怒った神が与えた罰、それが、ひ…
【 He is not what he was 】 2024 年 5 月 6 日。休日とはいえ月曜日だったので、「やばい! もう 7 時 10 分過ぎだ、BS の朝ドラ観ながらの朝食には間に合わない!」と飛び起き、慌てて朝食準備をしながら改めて時計を見たら、まだ午前 5 時台だった。 そ…
【亀女房】 異類婚姻譚(いるいこんいんたん)のひとつである『美女と野獣』(1946)を映画で観たついでに、ウィキペディアを読んでいたら、日本における例として浦島太郎のお話が上がっており、なんと 亀女房 - 例:浦島太郎(明治時代になるまで、乙姫は亀…
【フェルメールと iPad 】 異類婚姻譚(いるいこんいんたん)のひとつである『美女と野獣( La Belle et la Bête )』が 1946 年にジャン・コクトーの監督によりフランスで映画化され、それが DVD になって図書館にあったので借りてきて夕食時に観た。 手の…
【図書館の読書記録】 文京区立図書館で、女性作家の自伝的著作を借り出して読んだら、近所にある商店街の豆腐屋や魚屋の話が出てきてびっくりしたことがある。そうかこの人は駒込界隈の住人だったことがあるのかと、急に親しみを覚えた。 親しみを覚えたく…
【鉛筆が一本】 昔むかし、カメラのレンズはそれぞれに個性的で、H の硬い芯の鉛筆ではなく、B の柔らかい鉛筆で描いたような骨太の写りをする物があった。 上空に電信柱のある風景写真を撮ると、電線が空に溶け込んで消えてしまわず太めに写るのが不思議で…
【ろくでなし】 「ロクなものが」と言ったら「できない」と否定するものだという思い込みがあった。ロクなものが「できる」という肯定的意味の言葉遣いが、いま読んでいる本にあってけつまずいた。 「ロクなものの生まれる可能性はごく小さいはずである」と…
【飲み物と編み物】 「あっという間に GW 前半が終わってしまいました…」という、ちょっと切なさを感じる時候挨拶のある仕事メールが届いた。あっけなく前半が終了し、ゴールデンウィーク前後半の谷間に暦通り出社したのだろう。 メールの時候挨拶は書き手と…