2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
【ポケットの世代】 NHK を見ていたら「Z 世代」を連発するので、人の傾向にラベル貼りするのはいかがなものかと思う。 とはいえ人を「世代」でくくりたくなることが自分にもあり、1920年代後半から1930年代前半あたり生まれの「戦中少年世代」と勝手に呼ぶ…
【土肥に生まれる】 わが母は西伊豆の土肥(とい)で生まれた。ウィキペディアには土肥生まれの著名人に俳優の勝呂誉が挙げられているけれど、勝呂誉のページには兵庫県芦屋出身と書かれている。芦屋なら貴景勝と同じだ。 母は幼い頃、七つ年上の三國連太郎…
【いつも心に笠智衆】 映画の中で、セリフを棒読み風に演じていた笠智衆になったつもりで、心の中で自分に語りかける笠智衆を思い浮かべると生きることが楽になる。 立っていたいのだけれど、好青年の好意を無にするのももったいない話なので「いや、こりゃ…
【応援せずに応援する】 気にしないことは難しい。「気にしない」と自分に言い聞かせても、「気にしない」と思うことがまさに気にすることになってしまう。「忘れよう」と思うことにも「忘れようと思うから忘れられない」という困難がある。 編集の手伝いを…
【隔夜堂】 母親が糠漬けをする人だったので、酸っぱい古漬けを刻んでつくる「かくや」が好きだ。漢字で角谷と書くと思い込んでいたのだけれど、大辞泉によれば覚弥もしくは隔夜らしい。前者は江戸時代初期に岩下覚弥が創案したから、後者は高野山の隔夜堂を…
【ケセラセラ】 「世の中ケセラセラ(*)とは行かないね」というのが十歳ほど年上でひと足早く老老介護となった友人夫婦がもらす感慨である。 五歳ほど年上の友人夫婦も似た境涯なので、やがて同じような感慨を抱くようになるだろう。 そしてそれぞれより十…
【立場と足場】 窓辺に置かれた小さな机に向かい、近所の 10 階建てマンションで始まった外壁工事現場を見ている。職人たちが着々と足場を組み上げていく。 時折声かけしながら金属製の部材を接合しハンマーで叩いて固定していく音が聞こえる。「俺だって怖…
【筋道】 物事の考え方には、いくつもの違った筋道がある。違った筋道を辿って考えてみることを学ぶと、思いもかけなかった別の自分の人格というか態度というか、そういうものに出逢って複数の自分がこの自分に一体化する。 複数の自分がうまく一体化すると…
【アリの重さ】 編集者からアリの写真と原稿がメールで送られて来た。アリの昆虫写真を見ながら妙に慄くのは、彼らが強固な社会性をもつ生き物だからだ。今夜はアリの社会集団に囲まれ、投票を強要される夢を見てうなされるかもしれない。 原稿を読んで驚い…
【「あ」の効能】 「あかさたなはまやらわ」に母音の「あ」をつけて「ああ」「かあ」「さあ」「たあ」「なあ」「はあ」「まあ」「やあ」「らあ」「わあ」と言ってみる。 頭の中に生まれる考えは「言葉」であり、二項対立、二者択一という自分と他人の関係に…
【情緒と時間】 本を読みながら、“なんとなく” 思うところあってメモしておいた故人の言葉を並べてみた。 ◉芸術家こそ真実を告げているのであって、嘘をついているのは写真の方なのです。というのは、現実においては時間が止まることはないからです。(ロダ…
【郷愁と叙情】 清水に日帰り帰省してきただけで、ふとこういう歌が懐かしく感じられる。生まれ故郷というのは「かたちのない箱」のようなものである。 道をはさんで畠一面に麦はほが出る 菜は花盛り眠る蝶々 とび立つひばり吹くや春風 たもとも軽くあちらこ…
【かわいいふみきりくん】 福音館書店の絵本に『ふみきりくん』というのがあって NHK のローカルニュースで取り上げられていた。ふみきりくんは朝から晩まで忙しく働いて、みんなの安全を守っている。 郷里静岡県清水の静岡鉄道御門台駅にもかわいい踏切があ…
【いただきののちゃん】 ひらがなの「の」はかわいい形をしている。男女の別に限らず、顔に「 のの 」に見える配置で目のある人はかわいい。 かわいい「の」には形式名詞・格助詞・連体助詞としての使い方がある。 ごはんつくる「の」だいすき(形式名詞) …
【新幹線とバカ】 東海道新幹線が開業 60 周年になるらしい。 もうそんなに歳月が経ったのかと感慨深い。ひとつ年上で清水の入江小学校に通っていた従兄は修学旅行が東京で、新幹線に乗って上京し、新幹線に乗って帰って行った。 発車時刻が決まっていたので…
【静清国道延絵図】 東海道分間延絵図(とうかいどうぶんけんのべえず)という絵地図があって、五街道分間延絵図のひとつである。道の長さは縮めカーブは緩やかにして曲がり具合を付記しながらうまく天地内に収めている。それを横長に延々描き継いで巻き物全…
【目の錯覚、それから】 わが家の本棚にある古い本は、大学の同級生だった妻と自分の本が混在している。 まったく同じ本が重複していることもあれば、自分では決して買わないと思われる本もあるし、どっちの持ち物だったか不明の本もある。 今朝もふと I・D…
【黄花郎草】 タンポポを漢字で蒲公英と書く。司馬遼太郎が黄花郎草と書いて「たんぽぽ」とルビを振っている。「黄花郎草」の四文字を辞書引きしてもそのものズバリはない。 黄花は植物名に冠せられてよくある「キバナ」で確かにタンポポにふさわしい。ネッ…
【居と気】 読んでいる本に「居は心を移すといいます」と書かれているが、そんな言葉を初めて聞いたので調べると孟子からひかれたようで、「居は気を移す」すなわち「環境は人の性格に影響を及ぼす」といっている。 文京区を東京 23 区のチベットと呼ぶ人が…
【のぼす】 謙信は早くから女色を断ち、魚肉を食膳にのぼさなかった。(司馬遼太郎『果心居士の幻術』) 「のぼす」は「上す」と書く。同様に「のぼせる」は「上せる」と書き、それを「のせる」と読むのは間違い。気になって辞書引きした。 語り口が好きで著…
【電車の仕事】 文京区立千石図書館が休館中なので本駒込図書館に通っている。本駒込図書館がある場所はかつて都電の神明町車庫だったので敷地内の児童公園には路面電車が保存展示されている。 6000 形は昭和 22 年( 1947 年)から 290 両製造されました。6…
【すわれる店を探して】 清水から友人夫婦が上京したので上野で待ち合わせ、アメ横で昼飲みできる店を探したら、空いている店はガラガラで混んでいる店はギュウギュウになっている。 店外のテーブルで外飲みできそうな店を見つけたけのでどうかときくと、女…
【読めるものなら読んでみな】 新書本サイズの手帳に毎日手書きしている日記はネット検索にかかることもないだろうという気安さが楽しい。思ったことがインクと紙と下手な文字でダイレクトに暗号化される。 最近はOS レベルの機能として装備されることが当た…
【再帰代名詞】 再帰代名詞というものがあって、反照代名詞、反射代名詞、反射指示代名詞ともいう。 向かい合った相手と独我論的にならないように分かり合おうとすると、そういう言葉づかいが自然に発現するように思う。自分という言葉も、僕という言葉も、…
【ばんこ】 人が代わりながら役割をつとめることを「かわりばんこ」という。 代わる順を決めたらそれに従うことを「じゅんばんこ」という。 じゅんじゅんとして役割が代わっていく仕組みを「こうたいばんこ」という。 ルールに縛られないでめいめいが勝手に…
【夢の残像】 子どものころから虫が苦手で、今でも枕元に虫がいる夢を見て「ギャッ!」と声が出て目が覚める。 虫に驚いて目が覚める夢が他の夢と違うのは、目が覚めても虫の残像が見えることで、枕の上に黒っぽく見えるものを手で払い除けようとしたりする…
【なまえのよみかた】 島左近という人がいて「しま・さこん」と読み、戦国から安土桃山時代にかけて実在した武将だが、左近は通称で実名を清興(きよおき)という。 島宗理という心理学者がいて「しま・むねさと」だと思ったら「しまむね・さとる」とルビが…
【夜のエンジン】 毎週木曜日をノンアルデーにしている妻に付き合って、毎週木曜日を素面(しらふ)で過ごす夜にしている。素面で過ごす夜はつらい。 ・ノンアルビールは飲んでも愉快にならない。楽しい夜のエンジンがかからない。 ・楽しい夜のエンジンがか…
【まわり道】 文京区立千石図書館が改修工事で十月いっぱい休館なので、本駒込図書館に借りた DVD の返却と、予約した DVD の借り出しに行ってきた。 帰りに田端銀座で買い物をして坂道を上ったら、いつも通る裏通りが工事中になっていた。まわり道の地図看…
【十月のエンジン】 毎年のことだけれど、カレンダーがめくられて十月になると、すっきり生活が改まったような気がする。 朝刊も新しい総理大臣が組閣を終えたという記事が一面になっている。 一年のゴールに向かって車のエンジンがかかったのか、下り坂で勝…