【夏の純粋経験】


アロハシャツについて頭で考え、マニアックな蘊蓄(うんちく)をかたむけ、理屈をこねているときのアロハは「アロハシャツという意識」であり、グダグダ言わずサラリと身に着け颯爽(さっそう)と街に繰り出すときは「アロハシャツというもの」にすぎない。
意識のアロハであろうが、もののアロハであろうが、どっちも同じアロハなのだけれど、そういう意識とものに区別される前の、ややこしくない未分化の状態を哲学者西田幾多郎は「純粋経験」と呼んだ。

アロハを着ていかにも嬉しそうにニコニコしているだけで、ああ、この人は夏のアロハが大好きなんだなとわかる。風呂上がりに涼しいアッパッパを着て嬉しそうにしていた祖母も、やはり夏のアッパッパが大好きな人だった。その姿そのものに尊い悟りがあらわれていて、禅寺での只管打坐(しかんたざ)などなしで、どちらもあるがまま純粋経験中の人なのである。
NEW
20 音オルガニートで
20 音オルガニートで『「セレナーデ」弦楽四重奏・第17番よりSerenade for String Quarteto No.17 Op.3 No.5 』
20 音オルガニートで『老犬トレイ Old Dog Tray 』
作詞作曲/S.フォスター
20 音オルガニートで『大きな古時計 Grandfather's Clock 』
作詞作曲/H.C.ワーク
を公開。
***
◉



